首の痛み 肩の痛み その他の痛み 「首が痛くて動けない」「肩や手がしびれる」「肩が痛くて腕が動かせない」「物を持ち上げると腕が痛い」「肩こりがひどい」など、上半身におけるさまざまな「痛み・しびれ」で悩んでいませんか?痛みを放っておくと、生活の質も下がってしまいます。早めの受診、こじれる前の治療をおすすめします。 こんな症状、抱えていませんか? ・首が痛くて頭が動かせない ・肩甲骨から腕にかけて重だるい痛みがある ・首から指にかけて、しびれたように痛い ・肩が痛くて腕が上がらない ・物を持ち上げるとき腕に痛みを感じる ・頭痛まで引き起こすぐらい肩こりがひどい もしかすると、こんな病気になっているかも? 頚椎症性神経根症 加齢により頚椎の骨が変形したりトゲ(骨棘)ができたりすることにより、脊髄から枝分かれする神経の根っこが圧迫され、主に上肢の片側に痛みやしびれの症状があらわれます。 痛みは首や背中にも出てきます。首を後ろにそらしたときや重い荷物を持ったときに痛みを感じることもあります。腕や手、指先にかけてしびれや感覚の異常が生じる場合もあります。 神経の炎症による痛みのため、痛みは激烈で患者さんを酷く苦しめますが、痛みが強いだけでは手術の適応にはならず、積極的な鎮痛処置が唯一の治療法となります。 一般的な鎮痛薬で効果のない場合は、頚部への神経ブロック治療が有効です。当院では、レントゲン透視装置や、超音波検査装置を使用し安全かつ有効な神経ブロック治療を施行しています。 頚椎症性脊髄症 加齢により椎間板の変形が進み、頚椎の骨がこすれ合って骨が変形したり靭帯が厚く硬くなることで、頚椎の中心を通る脊髄が圧迫され、左右両方の手足に痛みやしびれが生じます。 手先の細かい作業がうまくできないことがあったり、足を前に出しにくく早く歩けない、歩行がぎこちなくなる症状があらわれる場合も。また、頻尿、尿もれなどの膀胱直腸障害が起こることもあります。 上肢の痛みやしびれに対し、神経ブロック治療を施行する場合もありますが、進行性の病気でもあり、手術的治療を前提に治療する場合がほとんどです。脊椎外科医の受診を推奨しています。 頚椎椎間板ヘルニア 背骨をつなぐクッションの役目をする椎間板が何かのきっかけで後方へとび出し、脊髄や神経根を圧迫することで首や肩甲部、上肢に痛みやしびれなどの症状を引き起こします。 箸が使いにくくなったり、ボタンがかけづらくなったりすることもあり、足のもつれや歩行障害が出ることもあります。加齢などが原因で椎間板が変性し後方へ突出することから、30〜50代に多い病気です。 椎間板ヘルニアは自然消退が期待できるため、痛みが強いだけでは手術の適応になりません。手指の筋力低下、歩行障害、排尿障害が出現した場合にのみ手術が必要となります。 一般的な鎮痛薬で効果のない場合は、頚部への神経ブロック治療が有効です。当院では、レントゲン透視装置や、超音波検査装置を使用し安全かつ有効な神経ブロック治療を施行しています。 肩関節周囲炎(五十肩・四十肩) 肩関節を構成する骨や筋肉が加齢により変性し、肩関節の周囲に炎症が起きることで、肩の痛みや運動障害があらわれる病気です。40〜60代の患者さんが80%を占めています。 一般的には自然治癒すると言われており放置されることが多いようです。しかし、完全に元通りになる人は意外と少なく、かならずしも自然治癒する病気ではありません。 早期の除痛と肩関節を固まらせない体操が重要です。当院では、超音波検査装置等を使用した、正確な関節内ヒアルロン酸注射や神経ブロック療法を併用し早期の除痛を図り、運動療法を促進してゆきます。 肩腱板断裂 肩関節のまわりの筋肉と骨をつなぐ腱が弱まり(腱板の老化)、打撲や転倒、ちょっとしたきっかけで、その一部が切れることによって起こります。肩関節周囲炎(五十肩)と同じような肩の痛みや運動障害が起こります。鎮痛薬、物理療法、肩関節へのヒアルロン酸注入にて疼痛緩和を図ります。一部の腱板が断裂していても他の部分で代償されるため、断裂していない腱板を鍛える腱板筋力強化訓練が有用です。種々の治療が無効で、日常生活に支障がある場合は、肩関節専門医による腱板修復手術が必要となります。 石灰沈着性腱板炎 肩関節周囲の筋肉と骨をつなぐ腱の集まった場所(腱板)に石灰が沈着することで、激しい肩の痛みが急激に起こります。レントゲン検査で肩関節周囲にたまった石灰がみられることで診断されます。 痛みは五十肩より激しく、夜眠れなかったり、着衣ができないぐらいの強い痛みが起こり、肩のあたりが熱をもったり、腫れることもあります。40〜50代の女性に多くみられます。 石灰周囲へのステロイド注入が疼痛緩和には有効です。当院では超音波検査装置等を使用した石灰吸引や石灰周囲へのステロイド注入を行います。 肩こり 首、肩の筋肉を長時間使うと筋肉が緊張し、血液が流れにくくなり、老廃物が局所にたまることにより発症すると考えられています。猫背など姿勢が良くない人や運動不足、ストレスなどが原因で引き起こされることもあります。 正しい姿勢を身につけること、長時間の同一姿勢を避けること、肩こり体操や全身運動を定期的に行うことが治療の基本です。症状が強い場合には、各種神経ブロックの併用、物理療法などが有効です。 最近では、超音波検査装置を使用した筋膜リリースを行う場合もあります。 テニス肘(上腕骨外側上顆炎) 手関節を動かす筋肉が肘外側部で障害されることで痛みを生じます。中年以降のテニス愛好家に生じやすいため「テニス肘」と呼ばれていますが、一般的には手関節を過度に動かしすぎることにより誰にでも発症する可能性があります。 物を掴んでで持ち上げるような動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。タオルを絞るときなどにも痛みが出る場合があります。疼痛が強く日常生活に支障がある場合や痛みを早急に軽減したい場合には局所ステロイド注射が有効です。 ステロイド注射は組織を脆弱にするリスクがあり、最低1ヶ月の間隔を開けて施行する必要があります。痛みの再発を予防するため、ストレッチ、アイシング、サポーターの装着を適切に行う必要があります。